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Current Opinion
心筋梗塞の再灌流療法における再灌流傷害の対策
Prevention of Lethal Reperfusion Injury in Patients with Acute Myocardial Infarction undergoing Reperfusion Therapy
小山 卓史
1
Takashi Koyama
1
1国家公務員共済組合連合会立川病院循環器センター
1Cardiovascular Center, Tachikawa Hospital
pp.1069-1073
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102071
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再灌流療法における再灌流傷害対策の現在までの概要
[1] 再灌流傷害に対する薬物治療の混迷
急性心筋梗塞患者に対しては,現在経皮的冠動脈インターベンション(PCI)などによる再灌流療法が広く行われているが,致死的再灌流傷害の存在のために,再灌流療法の本来得られるメリットを十分に引き出せていないのが現状である1).再灌流傷害を軽減するために,これまで種々の薬剤が大規模臨床研究で試されてきたが,現在までのところ確かな有効性が示された薬剤はない.最近では,昨年春の米国心臓病学会の学術集会(Scientific meeting of the American College of Cardiology 2011)で,再灌流療法を受ける急性心筋梗塞患者を対象として,δ-Protein Kinase C阻害薬の有効性を調べた大規模臨床研究の結果が,late breaking clinical trialとして発表された.しかし多くの期待とは裏腹に,その有効性は示されなかった.このように,再灌流療法の実施に際し投与して,心筋梗塞サイズを縮小しうることが広く普く証明された薬剤は,現在までのところ存在しない.
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