特集 Muse細胞 -現状と将来展望-
4.腎不全におけるMuse細胞を用いた治療戦略
内田奈生
1
,
熊谷直憲
2
,
根東義明
3
Nao Uchida
1
,
Naonori Kumagai
2
,
Yoshiaki Kondo
3
1東北大学病院 小児科 助教
2藤田医科大学 小児科 講師
3日本大学医学部 社会医学系医療管理学分野 教授
pp.205-214
発行日 2019年1月30日
Published Date 2019/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201902205
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腎臓は生体の恒常性の維持に重要な役割を果たしており,腎機能が低下すると高血圧,浮腫,電解質異常,心不全などが起こる。慢性腎臓病の患者数は増加の一途であるが,現行の治療は対症療法や進行抑制にとどまり,失われた腎機能を回復する手段は腎移植のみである。そのため,腎臓の再生医療に期待が寄せられ,研究が進められている。本稿では,腎臓病に対する幹細胞治療の現状,Muse細胞を用いた腎臓病治療の基礎実験と展望を紹介する。