特集 Muse細胞 -現状と将来展望-
3.心筋梗塞におけるMuse細胞を用いた治療戦略 ~Muse細胞と心筋梗塞治療~
湊口信也
1
,
三上敦
2
,
湊口信吾
3
,
山田好久
4
Shinya Minatoguchi
1
,
Atsushi Mikami
2
,
Shingo Minatoguchi
3
,
Yoshihisa Yamada
4
1岐阜大学大学院医学系研究科 循環呼吸先端医学講座 特任教授 /岐阜市民病院心不全センター センター長
2岐阜大学大学院医学系研究科 循環呼吸先端医学講座 特任教授
3岐阜大学大学院医学系研究科 循環病態学分野
4岐阜大学大学院医学系研究科 循環病態学分野 講師
pp.197-204
発行日 2019年1月30日
Published Date 2019/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201902197
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従来の骨髄由来幹細胞を用いた心筋梗塞治療の臨床研究では,心機能改善の十分な効果が得られていない。今回,ウサギ心筋梗塞モデルで,多能性幹細胞のMuse細胞を静注したところ,S1P-S1PR2 axisを介して梗塞部位にMuse細胞が高率に生着し,作業心筋に分化し,paracrine効果も加わり,2週,2カ月,6カ月後に,劇的な梗塞サイズ縮小,心機能改善,左室リモデリング抑制が得られ,その効果は従来の骨髄由来幹細胞(MSC)よりも大きかったため,今後の臨床応用での有効性が期待される。