特集 Muse細胞 -現状と将来展望-
7.肝切除におけるMuse細胞を用いた治療戦略
片桐弘勝
1
,
西塚哲
2
Hirokatsu Katagiri
1
,
Satoshi Nishizuka
2
1岩手医科大学医学部 外科 助教
2岩手医科大学医歯薬総合研究所 医療開発研究部門 教授
pp.235-241
発行日 2019年1月30日
Published Date 2019/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201902235
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生体肝移植や悪性腫瘍に対する大量肝切除では,創傷治癒から肝再生の過程を経る。生体肝移植ではドナー数が十分でない,大量肝切除では術後肝不全が起こりやすいという課題があり,効果的肝再生のために細胞療法の応用が期待されている。肝切除後のマウスにMuse細胞と非Muse細胞を移植したところ,Muse細胞のみが肝組織を構成する各細胞分画へ分化を示し,タンパク合成能を有する肝細胞も確認された。生体肝移植や肝切除における製剤化Muse細胞による細胞療法は,細胞数,投与経路,適応病態などを決める実務段階に入りつつある。