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はじめに
昨年の阪神大震災という未曾有の天災はわれわれ関西在住の者にきわめて大きなインパクトを与えた。神戸という,多種多様な要素を包含する大都市が一瞬にして機能停止した様は信じ難い光景であったとともに,危機管理に関する様々な教訓を与えてくれた。すなわち,平時から危機に備えることの重要性と危機発生後の初動の立ち立がりの重要性である。とくにライフラインの断絶のもたらした影響は想像を絶するものであった。虚血は大都市同様にきわめて複雑な機能を営む脳が遭遇するもっともポピュラーなクライシスと言える。震災の被害が地震の震度により大きく規定されるごとく,脳虚血により脳が被る障害の程度はまず虚血ストレスの程度により大きく左右される1)。また,治療の観点からすると,なによりもまず危機の原因を究明しその発生を未然に防ぐことがもっとも重要である。しかしながら,震災同様にその発生を防ぎ難い時は,発生を可及的予測し日頃からの危機管理に努める必要がある。また,一旦発生した場合は,極力被害を軽症にとどめることと,危機の程度に相応して続発する各種の病的変化に迅速かつ適切に対処することがきわめて重要である。
Since the first documentation of the induction of heat shock protein (HSP) following transient cerebral ischemia, HSP induction in experimental brain ischemia was observed not only in the vulner-able neuronal cells but also in the non-neuronal cells such as astrocytes and endothelial cells, depending on the degree of ischemic stress. These findings suggested that cellular elements in the central nervous system respond to the altered environment in a manner analogous to that of cultured cells.
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