特集 高齢者の非腫瘍性血液疾患
2.高齢者の腎性貧血
中西健
1
Takeshi Nakanishi
1
1特定医療法人 五仁会 住吉川病院 名誉院長
pp.27-34
発行日 2018年12月30日
Published Date 2018/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201901027
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高齢者の貧血は,「未説明貧血」,「慢性炎症に伴う貧血」,「鉄欠乏」,「腎機能障害」の順に多いとされている。多くの要因が絡み合った病態であり,腎機能・鉄代謝・炎症マーカー・骨髄検査・消化管の精査など原因の検索が重要である。加齢に従い貧血を伴う患者は増加し,慢性腎臓病(CKD)の頻度も増加する。CKDにおいては腎機能低下に応じて腎性貧血も増えていくが,CKDステージ3までの患者では腎機能と貧血の明確な関係はない。「未説明貧血」は血清エリスロポエチン濃度も低いことが多いが,貧血の程度は軽度であり,経過観察の継続が必要である。