専門医に訊くCommon Disease最新の知識
腎性貧血
栗山 哲
1
1東京慈恵会医科大学 腎臓高血圧内科
pp.755-757
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200242
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Question①
各種エリスロポエチンの特徴・使い分けについて教えてください.
Answer①
慢性腎臓病(CKD)保存期*の患者の腎性貧血に対してのerythropoiesis stimulating agents(ESA)製剤としては,遺伝子組み換えヒトエリスロポエチン(rHuEPO)であるエポエチンα(エスポー®)とエポエチンβ(エポジン®),そして長時間作用型のダルベポエチンα(DA:ネスプ®)とエポエチンβペゴル(C.E.R.A:ミルセラ®)の4種類が使用できます.外来通院の頻度から考え,長時間作用型ESAを皮下注で使用することが推奨されます.糖尿病腎症でHb 10g/dL以下の腎性貧血に対するEAS投与は,患者QOL改善のみならず,心肥大退縮作用,腎機能低下遅延など臓器保護面での有用性が示されています.
*保存期とは,CKDにおいて腎機能低下はあるものの,透析に至る程悪化していない時期,CKDステージ2〜4,を指します.
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