特集 高齢者の非腫瘍性血液疾患
3.高齢者の巨赤芽球性貧血
前田猛
1
Takeshi Maeda
1
1倉敷中央病院 血液内科 部長
pp.35-41
発行日 2018年12月30日
Published Date 2018/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201901035
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巨赤芽球性貧血は高齢者に多い疾患であり,ビタミンB12欠乏が原因の大多数を占め,次いで葉酸欠乏とされる。ビタミンB12欠乏は,悪性貧血,胃切除後などが主たる原因であるが,高齢者では萎縮性胃炎,制酸剤投与による無酸症,抗菌薬投与による小腸内細菌叢の異常などの複合的な原因を有することもある。葉酸欠乏は食事の影響を強く受ける。いずれも補充療法が主体となるが,投与経路,投与期間の決定には原因を把握することが重要であり,また,継続的な治療が必要になることが多いため,治療の必要性を十分に説明する必要がある。