特集 腎性貧血治療のこれまでと,その新しい展開
4.これまでの腎性貧血治療(1)ESAによる腎性貧血治療
鶴屋 和彦
1
1奈良県立医科大学腎臓内科学
キーワード:
NESP
,
CERA
,
目標ヘモグロビン値
,
赤血球造血刺激因子製剤(ESA)
,
バイオシミラー
Keyword:
NESP
,
CERA
,
目標ヘモグロビン値
,
赤血球造血刺激因子製剤(ESA)
,
バイオシミラー
pp.25-32
発行日 2021年1月10日
Published Date 2021/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001586
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1990年に遺伝子組換えヒトエリスロポエチンが開発・臨床応用され,慢性腎臓病(CKD)患者における腎性貧血治療は劇的な進歩を遂げた.その後,長時間作用型の赤血球造血刺激因子製剤(ESA)の登場で,貧血管理はますます容易になった.しかし,海外の大規模研究で,正常ヘモグロビン(Hb)値を目指した治療に有益性がないことが明らかにされ,ESAの過剰投与に対して注意喚起されるようになった.わが国の腎性貧血治療ガイドラインでは,海外の大規模試験を参考にしながら国内のエビデンスが重視され,血液透析患者ではHb値10〜12 g/dL,腹膜透析患者と保存期CKD患者ではHb値11〜13 g/dLを目標にESAを投与することが推奨されている.
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