特集 加齢と造血
7.高齢者の多発性骨髄腫
今井陽一
1
Yoichi Imai
1
1東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科 准教授
pp.1609-1617
発行日 2018年10月30日
Published Date 2018/10/30
DOI https://doi.org/10.20837/52018111609
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
多発性骨髄腫は,診断時年齢が平均70歳と高齢で患者数の約4割が75歳以上である。様々な染色体異常を伴い,高齢者と若年者では染色体異常の種類と頻度に違いがある。一方,予後不良染色体異常であるt(4;14)やdel(17p)の頻度が高齢者で若年者より高くなる傾向はなかった。年齢は合併症とともに多発性骨髄腫の治療方針の決定に関わる大きな要素のひとつであり,これらを基にしたfrailty scoreが導入されている。レナリドミド,ボルテゾミブや抗体薬などの新規治療薬の使用により治療成績の改善がみられる。