特集 加齢と造血
8.高齢者の同種造血幹細胞移植
海渡智史
1
,
大橋一輝
2
Satoshi Kaito
1
,
Kazuteru Ohashi
2
1がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科 シニアレジデント
2がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科 部長
pp.1619-1626
発行日 2018年10月30日
Published Date 2018/10/30
DOI https://doi.org/10.20837/52018111619
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
多くの血液悪性腫瘍の発症年齢中央値は60歳以上であり,高齢化の進む本邦において高齢者に対する同種造血幹細胞移植の症例数は増加している。強度減弱移植前処置の開発やドナーソースの拡大,支持療法の進歩等により高齢者に対する同種移植の治療成績は向上したものの,治療関連死亡率は30%程度と高く改善の余地が多く残されている。高齢者に対して同種移植を行う際には,原疾患の再発リスクだけでなく,治療関連死亡を避けるために合併症や身体機能を正確に評価し,適切なドナーソースと移植前処置を選ぶことが重要となる。