今月の主題 リンパ系疾患の臨床
リンパ系疾患診療の実際
骨髄腫と関連疾患
多発性骨髄腫
高橋 幸則
1
1東京都済生会中央病院・内科
pp.1236-1237
発行日 1991年7月10日
Published Date 1991/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900968
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多発性骨髄腫は,主に骨および骨髄を侵す形質細胞の増殖性疾患である.したがって広範な骨破壊,骨髄障害,腎障害,さらに血清や尿の異常蛋白の増加によるさまざまな全身性の症状をひき起こす.
診断についてはDurieらの基準が広く用いられており,これを表に示す.また病期についてはさまざまな提唱がなされているが,治療効果あるいは生存期間との相関は必ずしも高くない.現在,腫瘍量と腎機能の両者に影響をうけるβ2ミクログロブリンが,予後に関して単独の指標として評価されている(I.4mg/l未満,II.4〜6mg/l,III.6mg/l以上).また血清IL-2高値の症例で長期生存傾向が認められたとの報告1)もあり,今後は予後因子の解析により治療法の選択が多岐にわたる可能性がある.
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