特集 加齢と造血
6.高齢者のリンパ腫
坂田麻実子
1
,
千葉滋
2
Mamiko Sakata
1
,
Shigeru Chiba
2
1筑波大学医学医療系 血液内科 准教授
2筑波大学医学医療系 血液内科 教授
pp.1603-1608
発行日 2018年10月30日
Published Date 2018/10/30
DOI https://doi.org/10.20837/52018111603
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悪性リンパ腫(以下,リンパ腫)とは,成熟リンパ球に類似した性質をもつ細胞の“がん”の総称であり,多種多様な疾患の集まりである。リンパ腫全体としては高齢者に多く,なかでも一部のタイプのリンパ腫は高齢者に特徴的にみられる。高齢者にリンパ腫が多い要因については,リンパ腫のタイプ毎に異なる可能性があるものの,明らかにされていない。おそらくは,リンパ腫の多くは単一の異常では発生せず,発がんに必要な因子が多段階に年月をかけて蓄積することにより発生するためと推察される。本稿では,高齢者のリンパ腫について,病態という点から考察する。