特集 血漿交換療法
5.造血幹細胞移植後合併症に対するアフェレシス
松本雅則
1
Masanori Matsumoto
1
1奈良県立医科大学 輸血部 教授
pp.1479-1485
発行日 2018年9月30日
Published Date 2018/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/52018101479
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造血幹細胞移植後には,感染症や移植片対宿主病(GVHD)などの様々な合併症が発生する。その中でアフェレシス(特に血漿交換)による治療の対象となるのが,血栓性微小血管症(TMA)である。また,厳密には予防としてアフェレシスが検討されるのは,ABO不適合移植,ドナーに対するHLA抗体を持つ患者である。なお,これらに対する血漿交換は保険適用ではなく,通常実施されることは稀である。ただし,造血幹細胞移植後TMAに関して急性GVHDが並存しない場合には血漿交換が有効である可能性があり,今後の検討課題である。