特集 血漿交換療法
4.非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS;補体関連HUS)の治療 血漿交換の意義と最新知見
澤井俊宏
1
Toshihiro Sawai
1
1滋賀医科大学 小児科学講座 講師
pp.1471-1477
発行日 2018年9月30日
Published Date 2018/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/52018101471
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非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)は補体代替経路の制御異常によって生じ,溶血性貧血,血小板減少,急性腎機能障害を3主徴とする。急激で破壊的な疾患であり,生命予後・腎機能予後は不良であることが知られてきた。異常に活性化した補体因子の除去および補体制御因子の補充を目的に,治療として血漿交換療法が実施されてきたが,その効果は限定的で,特に小児ではカテーテル関連のトラブルが少なくなかった。近年,補体最終産物である膜侵襲複合体の産生を抑制する薬剤が使用可能となり,aHUSの予後は大きく改善した。