特集 2019年の白血病診療―新たな武器を上手に活用するために
一般内科でみる「既往疾患」としての白血病
造血幹細胞移植後の晩期合併症
黒澤 彩子
1
1伊那中央病院腫瘍内科
キーワード:
移植後長期フォローアップ外来
,
二次がん
,
造血細胞移植患者手帳
Keyword:
移植後長期フォローアップ外来
,
二次がん
,
造血細胞移植患者手帳
pp.2153-2157
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_2153
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Summary
▪造血幹細胞移植の成績向上とともに,退院後の生活におけるQOL,長期の健康維持に目が向けられている.
▪移植後晩期の生命予後に関わる重篤な合併症としては,感染症,肺合併症,二次がんなどが報告されている.
▪「造血細胞移植患者手帳」は移植施設と非移植施設・かかりつけ医との間の情報共有を目的に作成され,患者の感染症リスク,慢性GVHD・免疫抑制薬の有無のほか,推奨されるワクチン接種スケジュールが掲載されている.
▪二次がんのリスクは移植後5年目以降も上昇し,とくに慢性GVHDを有した症例における食道がん,口腔がん発症リスクが高いため,それぞれのスクリーニングが重要である.
▪晩期の合併症は多診療領域にわたるものであり,他科・非移植施設との連携が患者の予後改善のためには重要・必須である.
© Nankodo Co., Ltd., 2019