特集 ゲノム編集技術の基礎と応用
6.T細胞を用いた治療へのゲノム編集技術の応用
森田薫
1
,
大嶺謙
2
Kaoru Morita
1
,
Ken Ohmine
2
1自治医科大学 内科学講座 血液学部門 助教
2自治医科大学 内科学講座 血液学部門 准教授/自治医科大学 免疫遺伝子細胞治療学(タカラバイオ)講座
pp.1061-1068
発行日 2018年6月30日
Published Date 2018/6/30
DOI https://doi.org/10.20837/52018071061
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生体内免疫機構への理解の深まりと遺伝子改変技術の革新により,がん免疫療法やHIV感染症治療が飛躍的な発展を遂げている。その基盤がT細胞であることから,技術進歩の著しいゲノム編集技術と組み合わせることも可能であり,その広がりは最早,とどまるところを知らないように思われる。本稿では,ゲノム編集技術を用いることにより同種間の免疫バリアーを乗り越えたユニバーサルT細胞およびウイルス感染抵抗性T細胞の作製による新規の治療法について,臨床面を中心に概説する。