Topics「身近な話題・世界の話題」(124)
急性リンパ球性白血病に対するCD19特異的キメラ抗原受容体を用いた遺伝子治療
大嶺謙
1
Ken Ohmine
1
1自治医科大学医学部 内科学講座 血液学部門 講師
pp.608-614
発行日 2014年3月30日
Published Date 2014/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201404098
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近年,B細胞性造血器腫瘍に対するCD19特異的キメラ抗原受容体を用いた遺伝子治療の臨床研究の成果が相次いで報告されている。化学療法耐性例にも著効する一方で,重篤な有害事象も認めている。今後,症例が蓄積されることで,造血器腫瘍の治療戦略におけるCAR療法の位置づけと,安全性を高めるための方策が明らかになっていくと思われる。本稿では2013年春に米国の2つのグループから報告された,B細胞性急性リンパ球性白血病患者に対するCAR遺伝子治療臨床研究について概説する。