Topics「身近な話題・世界の話題」(152)
ゲノム編集技術を用いたキメラ抗原受容体T細胞療法
松田和之
1
,
中沢洋三
2
Kazuyuki Matsuda
1
,
Yozo Nakazawa
2
1信州大学医学部附属病院 臨床検査部 副臨床技師長
2信州大学医学部 小児医学教室 教授
pp.1570-1573
発行日 2016年10月30日
Published Date 2016/10/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201611086
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法はきわめて有望ながん免疫療法であるが,今後一般的ながん治療となるためには,第三者ドナーからのCAR-T細胞の製造や適応疾患の拡大が重要となる。近年,ゲノム編集技術によって,ヒトT細胞から標的遺伝子のみを効率よく除去することが可能となった。最近,TALENを用いてT細胞受容体をノックアウトさせたCAR-T細胞や,CRISPR/Cas9を用いてPD-1をノックアウトさせたCAR-T細胞が発表されたので本稿で紹介する。