特集 CAR(キメラ抗原受容体)-T細胞療法の実用化へ向けて
6.ゲノム編集技術を用いた新しいCAR-T細胞療法の開発研究
寺倉精太郎
1
Seitaro Terakura
1
1名古屋大学医学部附属病院 血液内科 助教
pp.989-994
発行日 2017年6月30日
Published Date 2017/6/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201707069
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近年急速な発展を見せている遺伝子編集技術を用いて,キメラ抗原レセプター遺伝子導入T細胞(CAR-T)療法に用いる細胞製剤を加工する研究が進められている。第3者由来のTリンパ球を加工して,誰にでも投与できる細胞製剤として加工しようとするUniversal CAR-Tの開発や,CAR-T細胞の疲弊化防止や腫瘍微小環境に対する抵抗性を付与するなどの目的で,特定の分子をノックアウトするなどの研究である。もはやヒトへの本格的な応用まであと一歩に迫るこれらの分野にフォーカスする。