特集 多発性骨髄腫治療の最前線2017
2.新規の再発・難治性多発性骨髄腫治療薬 1)再発・難治性多発性骨髄腫治療薬の開発動向
魚嶋伸彦
1
Nobuhiko Uoshima
1
1京都第二赤十字病院 血液内科 部長
pp.1247-1258
発行日 2017年8月30日
Published Date 2017/8/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201709031
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近年,次々と新規薬剤が導入されているが,多発性骨髄腫が未だ治癒困難な疾患であることには変わりはなく,再発・難治性骨髄腫患者の生命予後を延長させ,かつQoLを保持するためにいかなる治療選択を行うのかが極めて重要である。一方で,新規薬剤の有効性を示す臨床試験における患者適格基準は様々であり,実地診療に当てはめる場合には十分な検討が必要である。本稿では,最近国内で保険承認された,もしくはもうすぐ承認されるであろう3種類の新規薬剤を再発・難治性骨髄腫患者により的確に使用するために,各薬剤の導入根拠となった試験デザインの相違とその治療成績を概説する。