臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
VIII.血液・造血器疾患
問題となるケースの治療
166.成人T細胞性白血病,悪性リンパ腫
市丸 道人
1
,
木下 研一郎
1
Michito Ichimaru
1
,
Kenichiro Kinoshita
1
1長崎大医学部原医研・内科
pp.2456-2458
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218707
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
現在,成人T細胞性白血病,リンパ腫(Adult T-cell leukemia/lymphoma,ATLL)という名称は2つの使われ方がある.その1つは当初から成人T細胞性白血病(ATL)としてとり扱われたもの,すなわち末血が白血病性であるものを,悪性リンパ腫としての性格も兼ね具えているためにATLLと称するものと,非白血性のT細胞性非ホジキンリンパ腫で病因的にATLと同じ(ATLV-ウイルス)と考えられるものを合せてATLLと呼ぶ場合である.
本稿では後者の考えに準じてATLLの名称を用いるが,ATLLをATLとT-MLに分けて使用することにする.すなわち,この場合ATLV感染を基盤としたもので白血性のものをATL,非白血性のものをT-MLと考えて差支えない.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.