技術講座 血液
シリーズ 悪性リンパ腫におけるフローサイトメトリー・1
B細胞性悪性リンパ腫解析
林田 雅彦
1
1公益財団法人天理よろづ相談所医学研究所
pp.480-487
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208353
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Point
●細胞サイズと内部構造の複雑さを表す散乱光サイトグラムは,標本の観察にてあらかじめイメージすることができ,検体の取り違いや腫瘍細胞の見逃しの防止に役立ちます.
●軽鎖制限(LCR)によるクロナリティー解析は,CD19などの汎Bマーカーにて系統特異的に実施しますが,リンパ腫細胞が少ない場合はCD5やCD10の発現細胞,CD38/HLA-DRやCD21/CD22ヒストグラムでのB細胞分画を標的にすることで,検出率が向上します.
●成熟B細胞性リンパ腫の病型分類は,CD5とCD10の発現から3つのグループに分けることで,鑑別すべき病型を容易に絞り込めます.
●解析結果は,異常細胞の免疫形質が一目で把握できるように,カラーゲートにて散乱光サイトグラムと各ヒストグラムでの局在をハイライトさせます.
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