特集 CAR(キメラ抗原受容体)-T細胞療法の実用化へ向けて
4.多発性骨髄腫に対するCAR-T細胞療法の開発研究
内堀亮介
1
Ryosuke Uchibori
1
1自治医科大学 免疫遺伝子細胞治療学(タカラバイオ)講座 特命講師
pp.969-977
発行日 2017年6月30日
Published Date 2017/6/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201707049
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多発性骨髄腫は白血病や悪性リンパ腫とともに3大血液がんの1つであり,社会の高齢化とともに患者数は増えていくとみられている。かつては治療法が限られ,さまざまな合併症により予後は好ましくなかったが,近年,プロテアソーム阻害薬であるボルテゾミブや,免疫調節薬サリドマイドやレナリドミドなどの登場により,治療が大きく進歩している。しかし,そうした治療法の進歩にもかかわらず,再発・難治症例に対する治療は依然として困難であり,免疫療法など新たな治療法の開発が望まれている。 本稿では骨髄腫に対する免疫療法の現状と,キメラ抗原受容体を用いた治療法の今後の展開について展望したい。