Topics 「身近な話題・世界の話題」(147)
ゲノム編集の臨床応用に向けた展望
三谷幸之介
1
Kohnosuke Mitani
1
1埼玉医科大学 ゲノム医学研究センター 遺伝子治療部門 教授
pp.410-413
発行日 2016年2月29日
Published Date 2016/2/29
DOI https://doi.org/10.20837/5201603106
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ゲノム編集を応用する遺伝子修復治療は,遺伝病の理想的な治療ストラテジーである。近年開発された各種の人工制限酵素を用いて,任意の標的染色体配列に二本鎖DNA切断を導入することで,遺伝子修復効率が桁違いに上昇する。中国のグループがヒト受精卵を用いてゲノム編集実験を行い,研究の正当性を含めた倫理的な問題が大きな論議を呼んだ。それに対し,2015年12月には,米国(NAS)や英国(Royal Society)などが中心となり,国際サミットが開催された。ゲノム編集技術の治療応用に向けた課題・展望と,世界の動向について紹介する。