特集 疾患特異的iPS細胞を用いた病態研究と創薬
2.ゲノム編集技術とその応用の現状
岩渕久美子
1
,
堀田秋津
2
Kumiko Iwabuchi
1
,
Akitsu Hotta
2
1京都大学iPS細胞研究所 特定研究員
2京都大学iPS細胞研究所 特定拠点講師
pp.343-352
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201803343
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遺伝子工学の進展は,遺伝子機能の解析だけでなく遺伝子変異疾患の治療・病態研究に大きく貢献してきた。かつてヒトの細胞において標的遺伝子の配列を改変するターゲティング技術は極めて難しいものであったが,近年の配列特異的ヌクレアーゼを用いたゲノム編集酵素研究の目覚ましい進歩によって,細胞内の目的のゲノム領域を容易に配列編集および修飾編集ができる時代が到来している。本稿ではゲノム編集の進展を俯瞰するとともに,現在多く用いられている技術と血液系疾患iPS細胞での応用例について紹介する。