特集 静脈血栓塞栓症2016 ~わが国の最新の情報から~
4.急性肺塞栓症の管理方針:早期の予後予測に基づいたアプローチ
山本剛
1
Takeshi Yamamoto
1
1日本医科大学付属病院 心臓血管集中治療科 講師
pp.349-354
発行日 2016年2月29日
Published Date 2016/2/29
DOI https://doi.org/10.20837/5201603045
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近年,疾患啓発や画像診断の進歩に伴い,静脈血栓塞栓症と診断される患者は増加傾向にある。急性肺塞栓症患者への管理方針は,早期の予後予測に基づいたアプローチにより決定される。欧州心臓学会2014ガイドラインでは,血行動態,肺塞栓症重症度スコア,画像的右室機能不全および心臓バイオマーカを用いたアプローチを推奨している。肺塞栓症重症度スコアは低リスク患者の判別に極めて有用とされ,最近では日本人においても同スコアが適用できる可能性が報告された。外来治療に適した非ビタミンK阻害経口凝固薬の登場とも相まって非常に注目されている。