特集 すぐそこにある心血管エマージェンシー
急性心血管疾患:知識が救命につながる
急性肺血栓塞栓症に対する早期診断と初療
石倉 健
1
Ken ISHIKURA
1
1三重大学医学部附属病院 救命救急・総合集中治療センター
キーワード:
右心負荷
,
血栓溶解療法
,
経皮的心肺補助
,
心エコー
Keyword:
右心負荷
,
血栓溶解療法
,
経皮的心肺補助
,
心エコー
pp.1297-1302
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika120_1297
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Summary
▪急性肺血栓塞栓症を疑うことが重要であり,病態に応じて対応方法を考慮する.
▪疑った時点で出血のリスクを考慮しながら,未分画heparin 5,000単位を投与する.
▪循環虚脱もしくは心停止した患者に対しては経皮的心肺補助を行う.
▪ポータブル心エコーで右心負荷の有無を評価することが診断につながる.
▪造影CTで肺動脈だけでなく下大静脈から膝窩静脈の血栓も評価する.
▪ショックを伴うときは血栓溶解療法などの再灌流療法を行う.
▪リスクが低くD-dimerが陰性のとき,急性肺血栓塞栓症を否定できる.
▪最低でも3ヵ月の抗凝固療法が必要で,投与期間を延長することも考慮する.
▪下大静脈フィルターの適応は限局的になってきている.
© Nankodo Co., Ltd., 2017