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特集 急性肺塞栓症の最新診療
急性肺塞栓症の疫学
The epidemiology of acute pulmonary thromboembolism
相馬 真子
1
,
佐久間 聖仁
1
,
白土 邦男
1
1東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座循環器病態学分野
キーワード:
急性肺塞栓症
,
発生頻度
,
死亡率
Keyword:
急性肺塞栓症
,
発生頻度
,
死亡率
pp.287-292
発行日 2005年3月20日
Published Date 2005/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100486
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要旨:欧米では,急性肺塞栓症は虚血性心疾患,脳血管疾患に次ぐ三大疾患の1つとされるほど頻度の高い疾患である.一方,日本では比較的稀な疾患とされてきた.残念ながらわが国では発生頻度の正確な把握がなされているとは言えないが,現在,信頼できるデータとして以下の報告がある.すなわち,(1)臨床症例からの検討による人口100万人あたり32人(2000年),(2)厚生労働省の人口動態調査結果における肺塞栓症死亡者数の人口10万人あたり1.37人(2001年),(3)日本病理剖検輯報における剖検例での頻度3.31%(1998年),である.これらはいずれも増加傾向にあることから,肺塞栓症の頻度は増加傾向にあって,すでに稀な疾患と言うことはできないと思われる.今後,適切な予防処置の普及が望まれる.
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