特集 造血器腫瘍の分子標的治療の進歩
2.慢性骨髄性白血病
木村晋也
1
Shinya Kimura
1
1佐賀大学医学部 血液・呼吸器・腫瘍内科 教授
pp.1733-1739
発行日 2015年11月30日
Published Date 2015/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201512035
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ABLチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)メシル酸イマチニブによって,慢性骨髄性白血病(CML)の予後は劇的に改善したが,イマチニブに耐性/不耐容を示す患者も存在し,第2世代ABL TKIsが開発された。しかし,第2世代ABL TKIsでもT315I変異には無効であり,第3世代ABL TKIポナチニブが開発された。このように,ABL TKIsは進化を遂げてきたが,CML幹細胞には無効である。全てのCML患者を治癒に導くには新たな薬剤が必要であり,ヘッジホッグ阻害剤やアロステリック阻害剤などの新薬が開発中である。