特集 造血器腫瘍の分子標的治療の進歩
1.急性骨髄性白血病/骨髄異形成症候群
足立佳也
1
,
清井仁
2
Yoshiya Adachi
1
,
Hitoshi Kiyoi
2
1名古屋大学大学院 医学系研究科 血液・腫瘍内科学
2名古屋大学大学院 医学系研究科 血液・腫瘍内科学 教授
pp.1721-1732
発行日 2015年11月30日
Published Date 2015/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201512023
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近年のゲノム解析技術の飛躍的な進歩によりAML/MDSの発症に関わる遺伝子変異の同定が進み,その病態の解明に大きな進展がみられている。すなわち,細胞の生存・増殖や分化・成熟に関与する遺伝子の変異に加えて,エピジェネティック機構に関与する分子,コヒーシン複合体を形成する分子,RNAスプライシング関連因子の変異などが明らかにされている。現在これらの変異遺伝子から作られる異常蛋白や,腫瘍において発現が亢進している蛋白を標的とした治療薬の開発が盛んに行われている。本稿ではAML/MDSに対して開発された代表的な分子標的治療薬について,その作用機序と臨床試験の進捗状況を概説する。