特集 血液疾患とクローン性
3.造血器腫瘍のクローン性進展 1)慢性骨髄性白血病の急性転化とクローン性進展
木村晋也
1
,
西田有毅
2
,
板村英和
2
Shinya Kimura
1
,
Yuhk Nishida
2
,
Hidekazu Itamura
2
1佐賀大学医学部 血液・呼吸器・腫瘍内科 教授
2佐賀大学医学部 血液・呼吸器・腫瘍内科 大学院生
pp.881-888
発行日 2014年5月30日
Published Date 2014/5/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201406085
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イマチニブの登場によって,慢性期慢性骨髄性白血病(CML)の予後は劇的に改善した。さらに,第2世代ABL阻害剤のダサチニブおよびニロチニブによって,予後はより良好となった。しかし,急性期CMLに対してはこれらABL阻害剤の効果は乏しく,急性転化の機序を明らかにし,急性期への移行を防ぐ,あるいは急性転化の原因を抑制する新たな治療法の開発が望まれる。分子生物学の進歩に伴って,徐々に解明されつつある急性転化の機序および現時点での急性期CMLの対処方法について概説する。