今月の表紙 血液・リンパ系疾患の細胞形態シリーズ・15
慢性骨髄性白血病
栗山 一孝
1
,
朝長 万左男
2
Kazutaka KURIYAMA
1
,
Masao TOMONAGA
2
1長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設分子医療部門分子治療研究分野
2長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設
pp.248-249
発行日 1999年3月15日
Published Date 1999/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904016
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慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia; CML)は顆粒球系細胞の増殖を主体とし,Philadelphia (Ph1)染色体あるいはbcr/abl融合遺伝子を認めることから確立した腫瘍性疾患単位のモデルとなっている.CMLは経過から慢性期と急性転化後の急性期に分けることができる.慢性期は顆粒球増多症を呈するが,多くの場合,幼若顆粒球の出現と好塩基球増多を伴うことで他の顆粒球増多症と鑑別することができる(図1).また血小板増多症を伴うことが多く,これも診断上おおいに参考になる(図1).
CMLの経過中に,病初期では認められなかった形態学的異形成を認めるようになり,間もなく急性転化をきたすことがある.図2は芽球(骨髄芽球)の増生と経過途中から認められた小型巨核球を多数認める骨髄性急性転化例を示す.
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