特集 造血器腫瘍の分子標的治療の進歩
3.骨髄増殖性腫瘍
北中明
1
,
下田和哉
2
Akira Kitanaka
1
,
Kazuya Shimoda
2
1宮崎大学医学部 内科学講座 消化器血液学分野 准教授
2宮崎大学医学部 内科学講座 消化器血液学分野 教授
pp.1741-1748
発行日 2015年11月30日
Published Date 2015/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201512043
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骨髄増殖性腫瘍に対する分子標的治療薬の代表はJAK1/2阻害剤のルキソリチニブである。ルキソリチニブによって骨髄線維症に伴う全身症状と脾腫の改善が得られるようになり,生命予後の延長も期待されている。最近,ルキソリチニブはヒドロキシカルバミド抵抗性または不耐容の真性多血症患者にも使用可能となった。現在,複数のJAK阻害剤が第Ⅲ相試験中である。免疫調整薬と称されるサリドマイドとその誘導体も骨髄増殖性腫瘍の症状改善に有効であることが示されており,治療法の選択肢が増えつつある。