病気のはなし
慢性骨髄性白血病
重野 一幸
1
,
大西 一功
1
1浜松医科大学第3内科
pp.6-11
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100439
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
新しい知見
慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia,CML)は9番染色体上のabl遺伝子と22番染色体上のbcr遺伝子の相互転座によって生じるbcr-abl遺伝子により引き起こされる疾患である.BCR-ABL蛋白のチロシンキナーゼに対する阻害剤,メシル酸イマチニブが開発され,分子標的療法として注目を集めている.これは目的とする分子のみに作用するように化学合成された薬剤であり,白血病に対する有効性を高めると同時に,他の細胞,組織に対する有害事象を軽減できるという利点がある.このメシル酸イマチニブの登場によりCMLに対する治療戦略が従来のインターフェロン(interferon,IFN)を中心とした治療から大幅に変化したといってもよいと思われる.今後の長期予後の結果に期待したいところである.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.