特集 最近のゲノム解析技術の理解のために
6.網羅的遺伝子発現量データの解析
瀬々潤
1
Jun Sese
1
1産業技術総合研究所 創薬基盤研究部門 ゲノム機能情報研究グループ 主任研究員
pp.1145-1152
発行日 2015年7月30日
Published Date 2015/7/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201508067
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マイクロアレイやRNA-seqの普及により,遺伝子網羅的な発現量の採取が行われている。得られた膨大な計測結果から,疾病メカニズムの解明が期待されるが,その道筋は必ずしも容易ではない。本稿では,発現量採取後に頻繁に行われる解析として,類似の挙動を示す遺伝子群や患者群をグループ化するクラスタリングと,着目した遺伝子群に関連する分子機能を発見するエンリッチメント解析を解説する。近年,市販ツールなどでこれらの計算が実行可能であるため,本稿では特に計算実行時や結果を見る上で有益な情報に力点を置く。