特集 最近のゲノム解析技術の理解のために
7.網羅的発現解析:RNA-seqの特徴と方法
鈴木絢子
1
,
鈴木穣
2
Ayako Suzuki
1
,
Yutaka Suzuki
2
1国立がん研究センター 先端医療開発センター トランスレーショナルリサーチ分野 研究員
2東京大学大学院 新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻 教授
pp.1153-1159
発行日 2015年7月30日
Published Date 2015/7/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201508075
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次世代シークエンス技術の簡易化と低コスト化により,多検体・微量がん材料を用いたRNA-seq解析が急速に進んでいる。RNA-seq解析により,遺伝子発現量の解析だけでなく,がん細胞の異常な転写産物や融合遺伝子,スプライスパターンなどの同定も行うことができる。また,その解析対象も,mRNAからnon-coding RNA(ncRNA),あるいは組織,細胞集団から1細胞にいたるまで,多岐にわたっている。本章では,前半ではRNA-seqの概要1),後半ではがん研究におけるトランスクリプトーム解析の最近の報告を紹介したい。