特集 オミックスが拓く生殖医学の未来
トランスクリプトミクス(1) 遺伝子発現の網羅的解析による胚・胎盤発生の解析
今川 和彦
pp.47-51
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.22.01_0047-0051
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「Summary」わが国の妊娠率の低下が止まらない。このことは,既知の遺伝子発現を見直すことも大切だが新規の遺伝子をみつけ出し,その機能解析から妊娠率向上のための技術開発が必要であることを示している。今般,次世代シーケンサー(RNA-seq)を用い,ウシ胚・胎盤形成時に働く新規遺伝子群のトランスクリプトーム解析を行った。「妊娠成立過程での問題点を直視し,抽出する」通常,妊娠の制御を考えるときには性周期のコントロールが考えられてしまう。性周期のコントロールは妊娠を起こさせないという意味での制御にはなるが,それは受精から分娩までの一連の現象には関与していない。すなわち,性周期のコントロールは妊娠を起こさせる・促進するということにはならず,ましてや妊娠初期に失われてしまう約半数の受精卵を救うことにはならない。「Key words」RNA-seq,トロホブラスト,胎盤,内在性レトロウイルス
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