特集 造血器腫瘍の予後と予後因子2015
1.急性骨髄性白血病
上村智彦
1
,
宮本敏浩
2
Tomohiko Kamimura
1
,
Toshihiro Miyamoto
2
1原三信病院 血液内科 部長
2九州大学病院 血液腫瘍内科 講師
pp.773-784
発行日 2015年5月30日
Published Date 2015/5/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201506019
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急性骨髄性白血病(AML)は,染色体異常により,予後良好群,中間群,不良群に分類されてきた。遺伝子変異も,FLT3-ITDやc-KIT変異は予後不良,NPM1やCEBPA変異は良好であることが示され,予後分類に取り入れられている。良好群では化学療法,不良群では同種造血幹細胞移植が推奨されるが,中間群の治療選択は確立されていない。正常核型AMLを中心とする中間群は,遺伝子変異によるさらなる層別化により,選択すべき治療が明確になることが期待される。