特集 2019年の白血病診療―新たな武器を上手に活用するために
白血病の治療:新規治療薬の役割を含めて
急性骨髄性白血病
石川 裕一
1
1名古屋大学医学部附属病院血液内科
キーワード:
急性骨髄性白血病
,
予後分類
,
FLT3阻害薬
,
分子標的治療
Keyword:
急性骨髄性白血病
,
予後分類
,
FLT3阻害薬
,
分子標的治療
pp.2075-2080
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_2075
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Summary
▪急性骨髄性白血病(AML)は依然として難治性悪性腫瘍の一つであり,染色体異常,遺伝子異常をはじめとする発症病態の解明が進められ,それらに基づく病型分類,予後および寛解後療法の層別化が行われてきた.
▪その一方で,急性前骨髄球性白血病以外のAMLの治療に関しては,長年にわたりアントラサイクリン系薬,cytarabineなどの従来の抗悪性腫瘍薬による治療が標準的治療とされてきた.
▪ここ数年,AMLを対象とした複数の新規治療薬が米国で登場し,わが国でもFLT3阻害薬が承認され,ようやくAMLにおける分子異常に基づく治療の臨床応用が始まった.
▪新薬によるAML全体の予後の改善が期待され,従来の治療法も含めた新たな治療戦略の確立が期待されている.
© Nankodo Co., Ltd., 2019