特集 遺伝子治療の臨床展開
3.神経疾患に対する遺伝子治療
村松慎一
1
Shinichi Muramatsu
1
1自治医科大学 内科学講座 神経内科学部門 特命教授/東京大学医科学研究所 遺伝子・細胞治療センター 特任教授
pp.625-629
発行日 2015年4月30日
Published Date 2015/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201505041
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Alzheimer病,Parkinson病,筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経変性疾患に対する先端医療として,アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを使用した遺伝子治療が期待されている。Parkinson病では,ドパミン合成系の酵素,神経栄養因子,抑制性神経伝達物質の各遺伝子を導入する臨床研究が実施されている。血液脳関門・髄液脳関門を通過し広範な中枢神経領域に遺伝子導入できる改変型AAVベクターを応用して,Alzheimer病にはAβ蛋白分解酵素,ALSにはRNA編集酵素の各遺伝子を発現させる遺伝子治療が開発されている。