特集 神経疾患の現在とこれから
研究の最前線
神経変性疾患における遺伝子治療
村松 慎一
1,2
1自治医科大学内科学講座神経内科学部門
2東京大学医科学研究所遺伝子・細胞治療センター
キーワード:
アデノ随伴ウイルス
,
芳香族アミノ酸脱炭酸酵素
,
RNA編集酵素
Keyword:
アデノ随伴ウイルス
,
芳香族アミノ酸脱炭酸酵素
,
RNA編集酵素
pp.1303-1305
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_1303
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Summary
▪神経細胞に効率よく遺伝子を導入し,長期発現可能なアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを応用した遺伝子治療が発展している.
▪Parkinson病では,ドパミンの生合成に必要な酵素の遺伝子を被殻で発現させて運動症状の軽減を図る.
▪孤発性の筋萎縮性側索硬化症では,RNA編集酵素のADAR2を運動ニューロンに導入し,AMPA型グルタミン酸受容体を介したCa過剰流入による細胞毒性を抑制する.
▪脊髄小脳失調症に対しては,DNA構造調整蛋白のHMGB1やmiR-3191-5pをPrukinje細胞に導入し,変性を抑制する.
▪Alzheimer病では,アミロイドβを分解するネプリライシンの遺伝子を広範な脳領域の神経細胞に導入する.
© Nankodo Co., Ltd., 2019