Japanese
English
話題
神経疾患の遺伝子治療
Gene therapy for nervous system disorders
青崎 敏彦
1
Toshihiko Aosaki
1
1Dept of Brain and Cognitive Science, M.I.T.
pp.734-736
発行日 1993年12月15日
Published Date 1993/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900690
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最近の遺伝子導入技術の進歩にはまったく目を見張るものがある。最初に人に遺伝子治療の試みがなされたのは1990年の9月,アデノシンデアミナーゼ欠損症患者に対してであったが,それからまだ3年も経たないうちに,すでに種々の進行癌(脳腫瘍,肺癌,腎癌,卵巣癌など)や肝臓疾患,嚢胞性肺線維症ひいてはAIDSに対する遺伝子治療が現実味を帯びたものとなってきている2,13,15)。米国では遺伝子治療専門の研究センターがミシガン大学やピッツバーグ大学に次々と設立され,さらに遺伝子治療を専門とする企業が雨後の竹の子のように活動を開始した。遺伝子治療研究を対象とした研究誌も今年中には3誌を数えることになりそうである。本稿では神経疾患に対する遺伝子治療の現状について,私の見聞した範囲で概観してみたい。
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