特集1 好酸球増加症
5.好酸球の細胞生物学と喘息
藤澤隆夫
1
Takao Fujisawa
1
1国立病院機構三重病院 アレルギーセンター・臨床研究部 副院長
pp.371-379
発行日 2014年2月28日
Published Date 2014/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201403055
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
成熟好酸球は,形態的には好中球よりやや大型で2分葉の核と,酸性色素エオジンで赤く染色される多数の特異顆粒で特徴付けられる細胞である。Th2サイトカインであるIL-5により産生が誘導され,Th2型免疫異常である喘息などのアレルギー疾患においては慢性炎症の主要なエフェクター細胞として働く。喘息が気道の好酸球性炎症であることが明らかにされてから,喘息の治療は吸入ステロイドが主流となり,喘息死の激減など治療のブレイクスルーを導いた。その他,消化管機能調節,創傷治癒,乳腺形成,分娩,抗ウイルス作用など多様な機能を有する。