Japanese
English
特集 好酸球と肺疾患—最新の知見
気管支喘息と好酸球の関わり
Role of Eosinophils in Bronchial Asthma
福田 健
1
Takeshi Fukuda
1
1獨協医科大学アレルギー内科
1Department of Internal Medicine and Clinical Immunology, Dokkyo University School of Medicine
pp.557-565
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901705
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
気管支喘息では末梢血や喀痰で好酸球増多がみられる.この事実は今世紀のはじめから知られていたが,両者の関係は長い間不明であった.1970年代はじめHornら1)は,喘息において,気道閉塞度と末梢血好酸球数は相関することを見出し,末梢血好酸球数測定が喘息の診断,重症度の判定にきわめて有用であることを報告した.しかし,好酸球が喘息でなぜ増えるか,どのような役割を果たすのかはこの時点でもまだ明らかでなかった.しかし,1970年代後半になって好酸球顆粒に組織傷害性があること,さらに1980年に入って好酸球がLTC4やPAFの産生細胞であること,さらにはサイトカインも産生することが明らかにされると,喘息と好酸球の関係に多くの研究者の目が注がれるようになり,かなりのことが解明されてきた.
本稿では喘息における気道粘膜内好酸球浸潤と喘息病態での好酸球の役割について概説する.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.