特集 血液疾患
【コラム】好酸球増加症—好酸球を理解すれば全身を診られる
宮川 義隆
1
Yoshitaka MIYAKAWA
1
1埼玉医科大学病院 総合診療内科(血液)
pp.795-801
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900180
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医学生の時に,はじめて血液塗沫標本を顕微鏡で観察した感動を覚えていますか。
白血球の多くを占めるのは,青い顆粒がある好中球と,丸く青い核をもつリンパ球であり,赤い顆粒をもつ不思議な細胞が好酸球である(図1)。臨床で好酸球増加をきたすものとして,薬剤,アレルギー,寄生虫感染を思い浮かべる方が多いが,好酸球増加をきたす病態の解明が急速に進み,海外では数年おきに好酸球増加症候群hypereosinophilic syndrome(HES)の分類が改訂され,病名も変化している1)。好酸球は全身の臓器に分布するため,さまざまな症状をきたす。このため内科の教科書だけでは解決できず,眼科,皮膚科,膠原病,感染症,がん,薬剤などさまざまな専門書,総説を読まないと全貌を理解しづらく,敬遠されることが多い。本稿を読めば,好酸球の秘密と魅力を理解して,全身を診られるホスピタリストになれると期待する。
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