特集 好酸球性炎症 アップデート
Ⅵ.喘息と好酸球
長瀬洋之
1
Hiroyuki Nagase
1
1帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー学教授
pp.618-625
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201705054
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好酸球は骨髄で造血され,血管内皮への接着,組織内遊走を経て肺局所に集積,活性化され,脱顆粒する。顆粒蛋白による気道上皮障害は気道過敏性亢進を惹起する。 喀痰好酸球比率は気道炎症をよく反映し,喘息病態やICS反応性とよく相関するが,解析は簡便ではない。代替マーカーとしての末梢血好酸球数は,気道炎症と一定の相関があり,最近の分子標的薬使用における重要なバイオマーカーとなっている。 好酸球はTLR7を介してウイルス単鎖RNAで活性化されるが,生体防御というより,喘息増悪に関与している可能性がある