特集 iPS細胞への期待
3.iPS細胞からの抗原特異的T細胞誘導とその臨床応用
南川淳隆
1
,
金子新
2
Atsutaka Minagawa
1
,
Shin Kaneko
2
1京都大学 iPS細胞研究所 増殖分化機構研究部門
2京都大学 iPS細胞研究所 増殖分化機構研究部 准教授
pp.201-207
発行日 2014年1月30日
Published Date 2014/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201402039
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
腫瘍特異的,ウイルス特異的なT細胞輸注療法は,近年飛躍的な発展を遂げてきた。しかし現行手法の問題点として,輸注するT細胞のクオリティが低いことがあげられる。この問題の解決策の一つとして,T細胞由来iPS細胞を利用したcell based immunotherapyが考えられる。我々は,抗原特異的T細胞よりiPS細胞を樹立し再分化させることで,抗原特異性を持った,しかも増殖力の強い若いT細胞を作ることができることを報告した。ここでは,iPS細胞化を経由した抗原特異的T細胞の作製戦略,また今後の実用化に向けての課題について紹介する。