特集 造血器腫瘍のゲノム解析
5.急性リンパ性白血病(ALL)
滝田順子
1
Junko Takita
1
1東京大学大学院 医学系研究科 小児科 准教授
pp.55-63
発行日 2013年12月30日
Published Date 2013/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201401055
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
急性リンパ性白血病(ALL)は,小児から成人まであらゆる年齢層に発症するが,発症年齢のピークは2~5歳にあり,小児に多い。近年の治療の層別化に基づいた多剤併用化学療法の導入により,小児ALLの治療成績は飛躍的に向上し,約80%の治癒率が得られるようになった。一方,成人ALLおよび小児の中でも,1歳未満に発症する乳児ALLの大半は依然として予後不良である。近年のゲノムワイドなアプローチにより,ALLの分子病態の理解が急速に進んでいる。これらの遺伝学的情報をもとに新たなサブタイプや予後因子が明らかとなり,実地診療への応用が進んでいる。