今月の主題 白血病とリンパ腫
白血病の治療
急性リンパ性白血病(ALL)の治療(成人)
白川 茂
1
,
北 堅吉
1
,
小林 透
1
1三重大学医学部・第2内科
pp.60-62
発行日 1988年1月10日
Published Date 1988/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221479
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ALLは,小児では急性白血病の大部分(75〜85%)を占めるのに比べ,成人では急性白血病のなかで占める頻度が低い(10〜20%).しかも小児ALLでは,化学療法を中心に治療の進歩により約90%の症例が完全寛解(CR)に導入でき,無再発寛解による5年生存率は50%以上に達している1)が,成人ALLの治療成績は,小児に比べきわめて不良であり,成人の急性骨髄性白血病(AML)の治療成績と比較してもけっして満足できるものではなかった1).しかし近年,成人ALLをhigh-risk白血病として捉え,寛解導入療法はもとより,その後の強化・維持療法を強力に行う治療法により,成人ALLの治療成績の向上がみられつつある2).
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